【実測レポート!】 観光地で25マイクロシーベルトな件

福島第一発事故に関して、「危険!」ってのと「まあ平気なんじゃない?」って両方の噂があります。原発問題は推進も反対もいろんな利権が絡んでるから、どっちの情報も利権絡みの可能性があります。だから疑心暗鬼になるのも無理ないよね。福島に住んでる僕の友人も同じ不安を抱えてました「結局俺の住んでるとこって安全なの?他の国と比較してどうなの?」と。でも震災の影響で彼は今も大変な状況。正しい情報を調べる余裕は無いです。

ってことで代理で線量測定に行ってきました。行ったのは8か国。チェルノブイリのあるウクライナも含みます。図にすると大体こんな感じ。赤い点がチェルノブイリです。

計測に主観が入らないように、陸上で測る場所は原則地球の歩き方で最初に紹介されてる地点を測りました。

最初に測ったのは飛行機の中です。実は宇宙からは宇宙線という放射線が降ってきてます。窒素に当たるとトリチウムという放射性物質を作ったりするやつです。で、これは結構な量振ってるんだけど地上に届く前に空気でほとんど遮断されるんですね。逆に言えば空気が薄いところだと十分に遮断されない。だから飛行機の中だとこの宇宙線をモロに受けます。これを測ろうというワケ。


で、計測しようと計器のスイッチを入れました。その時の様子がこれ。

はい。0.3μSv/hで警告音が出るんですが、一瞬で3倍以上の0.97μSv/h。けたたましく鳴り響く警告音。機内でこれはあまりにアレなんで焦って速攻消しました。動機に乗ってた方ごめんなさい。ってか警告音の部分説明書読んでなかったです。。。ということで機内測定はこれで中止。別の飛行機の時に測ることに。

その後モスクワに着いてから空港内で測ったら0.11μSv/hでしたhttp://youtu.be/exS8qDza3j8 同じ計器で僕が住んでる地域周辺(都内)を測ると概ね0.06〜0.12μSv/hくらいなので、これは平均より若干高い数字。原発事故はあったけど、東京はモスクワ空港と大差ないっぽい。

次です。モスクワ空港の中で説明書を熟読して警告音の解除しました。これで機内でも焦ることなく調査が出来ます。それでモスクワ→ワルシャワ便で測ってみました。結果はこちら

数値が高くて数秒で数字がブレますが平均で2.0μSv/hくらいの数字。23区内の20倍くらい。最大では2.39μSv/hという高い数字をマークしました。

飛行機で到着したのはポーランドの首都ワルシャワ世界遺産にも指定されてるこの街はショパンの故郷としても有名です。ここでの計測結果は0.12μSv/h。だいたいモスクワと同じですねhttp://youtu.be/oDDxB5lKzpo

電車に乗ってワルシャワの京都クラクフへ。
この街自体も世界遺産だけど近距離に世界遺産が3つ。ヴィエリチカ岩塩抗、アウシュビッツ強制収容所、カルヴァリアゼブジドフスカです。ヴィエリチカ岩塩抗は世界有数の岩塩採掘場。採掘跡の空間を利用して礼拝堂やらバスケのコートまで作ってあります。礼拝堂のシャンデリアまで塩で出来てます。アウシュビッツはご存じユダヤ人大量虐殺が行われた場所。いわゆる負の世界遺産の一つです。カルヴァリアゼブジドフスカは良く分かりません。
前の二つに行きましたが、アウシュビッツは線量を測るような場所でも無いので自粛しました。

で、結果。
ヴィエリチカ(礼拝堂前)→0.5μSv/h http://www.youtube.com/watch?v=Dv8l9FVOf0s
クラクフ→(ヴァヴェル城の竜の洞窟内)→0.5μSv/h http://www.youtube.com/watch?v=0kLHkQs5Bds

両方とも低めですね〜。ヴィエリチカはどこで測っても同じような線量でしたが、クラクフ中心市街は1.2μSv/hの場所もありました。


その後いったんワルシャワに戻りました。計測し忘れた場所があったからです。キュリー博物館です。ワルシャワの音楽家と言えばショパンですが、ワルシャワの科学者と言えばキュリー夫人です。放射能研究でノーベル賞取りまくりのキュリー家で一番有名なのがこの人。キュリー博物館は彼女の生家を改造して作られてます。

キュリー夫人放射性物質の実験を多くしたため、彼女の遺品の一部は酷く汚染されているものがあるそうです。彼女直筆の手紙でビニールに入れられて厳重に管理されているものもあるとか(この博物館では見られません)
とにかくこの博物館の内部も多少線量が高いかもしれません。ということで調査してみたら衝撃の結果が…

この石、まさにキュリー夫人が一生をかけて研究した鉱石なんです。この中にウランだとかラジウムだとかが入ってるんですね。僕が泊まった宿(4階)の線量が0.07μSv/hだったので、石から20センチくらいの場所は数百倍の線量。この石の前では普通の空間線量とかゴミみたいなもんです。直接触れたらどれだけの線量かと。こんな石を相手にキュリー一家は何年も研究を重ねてたんです(諸説ありますが最終的に夫人は放射線が遠因で亡くなったと言われています)

動画見てもらえば分かるけど、放射性物質からの線量って「どれだけ離れてるか」で物凄い変わる。
線量は物質からの距離の2乗に反比例するんです。1mの距離で100μSv/hでも、10m離れたら1μSv/hにしかならないってこと。逆に言えば小さなホットスポットがあっても少し離れるだけで影響は相当抑えられます。排水溝の下が超高かったら少しだけ距離置きましょうね。そこに24時間365日いるのは好ましくないです。


次回はいよいよチェルノブイリの存在する国ウクライナの線量調査です!

どーも僕でした。