短足ですが「あしなが」です。

前回書いた復興シンボルについて、たくさんの意見ありがとうございました。想像以上にyukkyさんの支持が多くてビックリしました。僕の妄想じゃなくて、こりゃホントにいい感じかも。
他の候補も最高の実績の先生ばかりです。こちらで最終投票&署名をやっているので、良かったら署名だけでもお願いします。

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話は変わるけど一昨日地方議会の政治に関わる人たちとお話してきました。今回の震災に対して東京都なり市区町村で何が出来るか。 その中で出てきたのが「空いてる施設に被災者を受け入れろ!」って話。確かに都内には都営/区営の住宅が沢山あるし、取り壊し予定だった「まだ全然使える」建物も多い。設備もしっかりしてるから住環境としては申し分ないよね。


◆コミュニティーの分断◆
でも、問題があります。自分の身に置き換えてみてください。
誰も知り合いがいない土地に一人で移住したいですか?例えばビジネスホテルが無人島にあったとして、そこに移住したいと思いますか?ちゃんと食事が配給されても「今すぐ行きたい!」とは思わないでしょ?

しかも移住した先ですぐに仕事が見つかるとは限りません。ってか今仕事がある人は移住したくてもクビになるのが恐くて移住出来ないでしょ。
仕事と関係ない子供への影響も大きな問題です。小中高生だったら学校の友達とは離ればなれになるし、付き合い始めたカップルは即遠距離恋愛に移行します(即破局かも)。転校がすぐに出来るかどうかも分からない。転校が出来たとしても学校によって授業の進み具合は違うから「??」ってことになる。大学なんか休学か退学しないと移住出来ないよね。


住居施設というハードは揃えられても、生活環境ってソフトまでは揃えられないのね。単純な移住はコミュニティーを分断して「人と人とのつながり」をリセットします。阪神大震災ではこれが理由で自殺者まで出てしまった。



◆電力消費の問題◆
問題がもう一つ。御存じの通り東京電力圏では電力が不足しています。夏場は1000万kWも電力が不足する見込なので、被災者が関東に来ても停電による不便を与えることになる。良い環境のために移住したはずなのに完璧な環境は用意出来ません。停電で営業時間を短縮してる会社は人を雇うどころか解雇したいだろうから、求人も関東圏には多くない。仕事を探したいならやめといた方がいいかも(建設とかの一部インフラ系の仕事は一時的に増えますが)
そう考えると「コミュニティーから分断されてでも移住したいって人」の移住先としては、東京電力県外の方が便利なんじゃない?物価高いし。

ちなみに橋本府知事のツイッターで周知されたように大阪府は2000戸を無償提供するみたい。佐賀なんか官民一体で3万人の受け入れ準備をしている(←佐賀県はホントに凄い!)





◆関東は何すりゃいい?◆
被災者が移住した場合に主に困るのは、関東⇒「コミュニティー分断&停電&求人減」、それ以外⇒「コミュニティー分断」ってことは、単純に比較した場合は関東に移住するメリットは弱いってこと。

だから「関東は被災者を受け入れない方がいいか」って言うと、僕はちょっと違うことを考えている。「停電&求人減」については関東に移住する以上は避けられないけど、「コミュニティー分断」については人によっては状況が異なる。

例えば「東京で20年働いてた⇒今年から岩手に転勤になった」って人の場合、岩手よりもむしろ東京の方が友人は多いかもしんない。東京に「戻るコミュニティーがある」なら他の地域に移住するより心理的負担は少ないよね。もしかしたら仕事も東京に配置変えしてもらえるかも。こーゆー人は是非関東圏に来て欲しいよね。そのためには関東にも一定数の受け入れは必要。

それとは別に「どっちにしてもコミュニティーが分断される予定だった人」ってのがいる。もともと上京する予定だった人ね。その中で「転勤で関東に引っ越す予定だった人」については解雇さえされてなければ仕事がある分だけダメージは比較的小さい(←もちろんメチャクチャ大変なんだけど。他の被災者と比べてってことね)
「コミュニティーが分断される予定だった人」の中で一番ピンチなのは「関東の大学に行こうとしたけど両親が失職した学生」です。経済的理由で「やっぱ行かせられない」ってケースは多発しそう。
僕が最初に入学した大学なんか2月に合格発表だから、必死の勉強で合格して「花の大学生だ〜♪憧れの東京だ〜♪」なんて浮かれてた人もいるはず。そんな人の未来が突然閉ざされる。

「義務教育じゃないんだから自分で払え」って言うのは簡単です。でも実際、私立「文系」ですら超大変でしたよ〜。「理系の学費を自腹」の苦労なんて僕には想像も出来ない。文系より学校の課題はハードだし学費&生活費稼ぐバイト時間なんてないです(←僕が「文転」した理由だったり)



ってことで、僕が強調したいのは「そーゆー学生こそ関東圏で受け入れた方がいいんじゃね?」ってこと。自分のコミュニティーから離れてまで「関東で勉強したい!」って思ってくれた人には最大限手を差し伸べるべき。半年とか半端な期間じゃなくて学業支援に十分な期間ね。
(前に書いた(2)進学断念増加の処方箋その1)



…ってことで署名を作ってみました。冒頭の復興シンボルと併せて回答もらえると嬉しいです。



(追加)

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「経済的な問題を抱えてるけど勉強したい!」って人のために奨学金とかを出す団体があります。一番有名なのが「あしなが育英会
今回の震災を受けてこの団体では学生向けに比較的簡単な審査で「無利子で貸し出し」をすることにしたそうです(普段は審査が厳しい)
「震災の影響で中退しなきゃいけないかも…」って人はお金を借りて卒業を目指すってのもひとつの方法です(←知り合いで困ってる人いたら教えてあげて)
奨学金の貸し出しだけじゃなくて震災孤児への支援とかメンタルケアもやってるので先週募金してみました。被災者支援にはこーゆー形もあるのね。