「救える」善意 と 「救えない」善意

本論の前に、まずは亡くなった方々のご冥福を祈ると共に被災された方々に心からお見舞い申し上げます。


震災でやることがあったので政策の分析どころじゃなかったです。すみません。僕は駅前で野宿コースの人たちを励ましていました。今日までで思ったこといろいろあるのですが、まずは「行政へお願いしたいことを少し」+「震災当日僕がやったこと」を書いときます。自分の行動の反省だとかはまた後日書きます。



◆状況把握が遅すぎな僕
地震があった時、自宅から徒歩1時間圏内にいた僕は「大きな揺れだったけどこのくらいなら余裕でしょ」とか思ってました。で、マッタリ仕事してから6時くらいに「そろそろ帰るか〜」って外に出たら…大混乱! 町中徒歩で帰宅する人で溢れてる!そんな中で僕は自宅至近の20代男子、格闘技経験もあるので体力だけは無駄にあります。 相対的に一番余裕あるカテゴリーですよね。だったら今一番動くべきなのは(動けるのは)僕じゃん!


◆ミイラ取りになっちゃダメでしょ
震源地に行って瓦礫の下にいる人を救出したい。救援物資も届けたい。今行かなくては!…って本気で思いました。でも経験も土地勘も無い僕が現地に行っても何もできません。交通渋滞に貢献してしまうし、被災者に配られるべき食料を浪費して帰るだけかもしれない。本当に悔しいけど、こーゆー時は「熱い想い」より先に「冷静な判断」を優先しなきゃいけない。「計画無き善意」は被害を拡大させるだけです。


◆何が出来る?
現実を見たら、その時僕がやれるのは「近くにいる人」の助けをすること。街は帰宅難民で溢れている状況でしたから、困っている人は山ほどいます。問題は徒歩で行ける範囲で何が出来るか。
ふと思い出したのが家に備蓄されてたカイロ。北風が強い日だったので、寒い思いをしている人も多いはずです。だったらこれをみんなに配ればいいじゃん!近場で寒い思いをしている人、なおかつ徒歩ですぐには帰宅出来そうにない人はどこに多いか。徒歩で帰れないのは遠距離電車を使う人でしょ?近場の長距離列車といえば新幹線のある品川だよね。乗るつもりだった人が足止めされてるはず。ということでやること決まり。
ダッシュで帰って家にあるカイロを取って品川で配る!


◆カオスな品川駅
品川へ向かう途中、ぶっちゃけ寒かったです。何せ風が強い。しばらく外にいるつもりだった僕はマフラーを巻いてましたが、用意もせずに長時間外にいることになった人の寒さを考えるとマフラーを巻いてることすら心苦しい。
品川駅に着くと凄い人口密度でした。中でも公衆電話の前が凄い。100人は並んでるんじゃないかってくらい。


◆計画変更
そんな公衆電話を横目に、予定通り新幹線乗り場に向かいました。歩を進める中で気付いたのが「あれ?ここって案外あったかいじゃん」ってこと。空調の関係なのか人口密度のせいなのか、新幹線乗り場前は他の場所より体感気温が2度くらい高い。「あれあれ?」って思ってるうちにJRのアナウンス「新幹線動きはじめました〜!」って。
これを聞いた段階で僕はカイロを渡す対象を考え直しました。「あったかい場所にいて」「電車がある人」より「寒い場所にいて」「電車がない人」のが先かなと(これが失敗だったかもしれないのは後日)


◆カイロ180個配布
新幹線待ちじゃない人に配ると決めたので、後は配布するだけ。帰宅のために歩いている人の足を止めちゃ悪いので、駅で野宿モードになってる人に片っ端から声をかけます「これから冷えると思うので良かったら使ってください!」
卒業式の帰りなのか凄くキレイな振袖を着た女性がいたり、中国から観光で来日したばかりの人がいたり…。「良い意味での非日常」の舞台にいるはずの人が「悪い意味での非日常」に突き落とされる。無機質なカイロを上げることしか出来ないのが悔しい。
そんな中で僕が逆に元気をもらったことがあります。カイロを手渡そうとしたおじちゃんが「俺はこの生活に慣れてんだよ!俺じゃなくて野宿に慣れてない奴に配ってやれ!」って。ホームレスのおじちゃんだったのですが、こんな寒い中で他人を気遣う彼は最高にカッコ良かったです。



◆港区へお願いしたいこと
ご存じの通り、現在関東及び東北圏では電力が不足しています。そこで思い出したのが港区の施設。真冬でも半袖になるくらい空調入れてることが多いんですよ。もしかして…と思って13日に行ったら。。。3時過ぎた時間で約24度でした。暑すぎです(ちなみにここによればその日の最高気温で15.9度。3時過ぎだからもっと低いはず。。)当日は係りの人に「空調下げてください」ってお願いしてきました。ちょうど区の放送で「節電しろー!」って言った直後でしたからね。ひとりの区民としては寒いのはある程度我慢するから節電に協力させてください!って感じです(←区の放送に責任転嫁。係りのおねえさん、モンスター区民でごめんなさい)
その日は空調を下げてもらえたけど、連日僕が全施設にモンスター区民として出向く訳にはいきません。こーゆー時「組織」ってのはトップが動かないとなかなか動かない。ネクタイ+スーツが不合理と分かっていても、中田氏が市長になるまで横浜市職員が自分からクールビズをするなんて考えられなかった。今回の件も区長がトップダウンで何らかの指示を出せれば状況は変わるんじゃない?

ということでモンスター区民の僕はここから直接区長にお願いを出してみました。要点をまとめるとこんな感じ。

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計画停電が終わるまでは
・暖房の上限は18度、冷房の下限は28度にする
・服装は常識の範囲で自由とする
・ブラインドを開けるなどして最大限の採光をし、照明は必要最小限とする(原則半減)

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思いつく限りだとお願い出来るのはこのルートだけ。区長として本当に大変な時期だとは思うけど、今の状況下で組織を迅速に動かせるのはトップのリーダーシップだけです。区長の力で茨城など被災地の方に安定して電気が届きますように。